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報道機関の医師への悪意を感じる。。。

診療報酬減額回避へ 健保組合、政管肩代わり大筋了承
という記事を見た。
http://www.asahi.com/politics/update/1205/TKY200712040521.html

最近、報道機関や政府筋から出る話は、開業医儲けすぎである。
なんでも開業医の平均収入は勤務医の1.8倍らしい。
それがけしからんらしい。

うーん…。

開業医さんは企業の社長さんになるわけですよ。
経営責任から職員の確保、その他諸々の事まで処理して、
自分の才覚で仕事しているわけです。

一般的に、はやっている企業を見て、そこの社長さんに対して「儲けすぎ」と思いますかね。
すごい努力してるんだろうな。とか、才覚があるんだろうな。とか思いますよね。普通。
でもそれが医者になると儲けすぎらしいです。
勤務医はどうか?と言うと、病院に雇ってもらっているサラリーマンです。実際。

単純に考えると、医療機関において医療職というのは、
事業主と雇用者の収入差が1.8倍の職種って事です。

僕は医療機関の事しかわかりませんから知らないのですが、
この程度の収入差の業種って他にありますでしょうか?
#いあ、本当に知らないもので…。

で、冒頭のアサヒコムの記事に繋がるのですが、
その記事の最初に
「厚生労働省は4日、08年度の診療報酬改定で、医師の収入に直結する「本体部分」について、現状の水準維持か小幅の増額をする方向で検討に入った。」
と書かれてます。

診療報酬って言葉通りの医師の報酬じゃ無いですから
診療報酬があがると医療機関の収益があがります。
ただそれだけです。
例えば極端な例ですが、最近ガソリン代が上がってますよね。
でもガソリン代の単価が上がっても、そこの職員さんの給料はあがりませんよね。
当然必要経費をそこから引いて、その収益の中から給与が支払われます。
その必要経費が上がっているので、単価が上がっても給与は上がらない。と。
診療報酬に対する考えもこれと同じです。

つまり、診療報酬はお店で売られる商品の小売価格と同じ意味なんです。
ですから、診療報酬が上がっても我々医師の収入には直結しません
記事にする前によく考えればわかる事なんですけどね。
#意図的に隠しているとしか思えないです。はい。

現在の医療機関で黒字を出している所は、ほんの少ししかありません。
でもそれは医療機関=企業です。
またその少しを大きくクローズアップして、さらに医療機関=医者は儲けているというんです
政府は。マスコミさんは。

***
 嘘だと思う人は、
 http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071128
 の記事や
 http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071112
 の記事を読んでみてください。
***

世の中派手な部分しか目につきませんが、現在でも人知れずつぶれている医療機関が幾つかあるのですよ。
このような状況ですから、診療報酬の減額は、ぎりぎりのラインで経営している医療機関に壊滅的なダメージを与えます。間違いなく。
それを医師の収入に直結すると言われても。
それであれば医療機関の存続に直結すると書き換えて欲しいくらいです。

どうもマスコミさんは医者を悪者にしたいらしい。です。
で、このような壊滅的ダメージを受ける医療機関を増やしたいらしい。です。
というかそうとしか思えません
この人達は本当はどうしたいんでしょうね?
真意が読めません。

繰り返します。
診療報酬があがっても医師の給料は増えません
だからもう少し偏らない報道をして欲しい
と思います。

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